ヒューマン・ネイチュア(字) [VHS] |
「マルコビッチの穴」のハードルで観ると、やや期待外れと思う人もいるかもしれませんが、人を食ったような脚本と、不思議なノリが楽しい異色作。
「人間らしさとは何か」みたいなことが一応、テーマになってはいますが、メッセージとしれそれを伝えたいのではなく、あくまでテーマとしれ採用しただけなので、説教臭くなく、笑えました。 幼少期から森に住んでいたパフならまだしも、ジョアンナの方は、全身体毛に覆われてるからって、素っ裸で森に住んだら、寄生虫やらウィルスやらに総攻撃を食らって、タダでは済まないですからね……。 |
ヒューマン・ネイチュア コレクターズ・エディション [DVD] |
聖書によると禁断の木の実(林檎)を食べて知恵を手に入れた人類はエデンの園から追い出されてしまいます。
何ものをも所有せず、裸ではあったけれどそこは楽園だったのに。 ネイチャー(自然)であることは幸せか?と問われても・・、 人間本来の自然な姿とはなにか、映画は彼らの問題を通して問いかけてきます。 愛情不足で礼儀作法が脅迫観念になってしまった男、先祖還りのように毛深い女性、 猿として育った男、功利主義で男を絡めとる女、 学問や知恵が彼らの一人でも幸せをもたらしたか??? 強烈な皮肉とブラックユーモアが利いています。 文明は便利さと同時に制約をもたらします。礼儀作法と性欲を対比させていて可笑しくも悲哀があります。 猿男は自然に帰ると公言しながら(秘密裏に権謀術策を弄し)文明の中で暮らす選択をします。 ラストシーン、解放されたはずの実験用ハツカネズミが都市に戻ろうとヒッチハイクするシーンで苦笑させられます。 彼らでさえ森で自活するのは大変だったんですね。(^^;) |