瀬戸内寂聴
源氏物語 巻一 (講談社文庫) |
空蝉は手強い女だ。一旦天下の源氏を拒否したかと思えば、和歌を使って「忘れていないよ」ということも連絡してくる。紫の上はまだ子供なのに源氏は自分の家に連れ帰った。自分ならいくらかわいい女の子がいてもまだ子供だからそこまではしないと思う。空蝉と間違えられて源氏と契ったふくよかな女の子はさぞかしびっくりしただろう。夕顔は世の男性にとっては大変な人気だが、個人的には手応えがなくあんまり魅力的だと思わない。むしろ手強い女である空蝉の方に魅力を感じる。源氏が与えられた恋よりも、難しい恋の方に血道を上げるのはなんとなく理解できる。恋愛は障害の多いほうが燃える、ということだろうか。源氏は自信満々で行動している。相手の女性もその部分に魅力を感じている面もあると思う。しかし葵の上は少し可哀想な感じがする。きっとプライドの高い女性なんだろうと思う。源氏がうらやましい。
|
生きることば あなたへ |
人生の中で生じる、苦しみ、悲しみ、怒りなどの場面に直面したとき、
魂を優しく包んでくれるような、前向きにしてくれるような本であると思います。 |
人気動画
Loading...
|