ラテン語の世界―ローマが残した無限の遺産 (中公新書) |
ラテン語は死語だが、様々な言語の母体として、現在でも生き続けているということを理解した。また近代から現代にかけての英語の造語にも不可欠とされてきたそうだ。その秘密はラテン語の持つ「増殖力」(造語力)と「論理性」にあると著者は強調する。具体的には、英語の接頭辞のpro-, pre-, sub-などはラテン語そのままだし、接尾の-ableや-tionもそれぞれラテン語の-abilisや-tioが少し変化しただけのものである。具体的な例を多数織り交ぜながら、ラテン語の歴史を追う切り口は理解しやすく、半端知識のいろいろな誤解も解け(誤解しがちな話しにも折々触れてある)、新書の一冊としては久しぶりに得した気分だった。 |
はじめてのラテン語 (講談社現代新書) |
ラテン語を独学で勉強したくて昨年に購入しました。
ラテン語独自の、時制変化、格変化など的確にまとめられていたように思われます。 初めてラテン語を勉強したいと考えている方には、もってこいの一冊といえます。 同書の良い点 ・ラテン語や歴史的なエピソードを踏まえて、何度読んでも飽きない。ヨーロッパの自動車会社の多くがラテン語に由来しているのは、かなり興味深かったです。 ・初期投資が1000円ほどで済み、手軽に購入できる。ラテン語の文法書では、簡単に入手できる部類ではないでしょうか。 ・発音から複文の作り方まで、丁寧に解説が加えられている。 同書の問題点および改善点 ・作者の「語り」がやや冗長的で、癖がある。ゆえに、読者に好き嫌いが生じる。 ・レイアウトが無視されている。語尾変化や時制の解説など、せっかく丁寧に解説されているのに、文字と変化の表が「詰め込まれている」印象を受ける。 ・例文が若干少なめ。他の文法書に比べれば、例文が少ない。例文はもっと豊富に掲載して欲しかった。 |
ラテン語のしくみ |
ラテン語に興味をもったのは、ハリーポッターがきっかけの私ですが(動機がちょっと不純?)、文法嫌いのため、(属格・・奪格・・?? ううん?)すぐ行き詰まってしまい長続きしません。
あるとき、他の方のレビューを読んで興味をもち、この本を購入してみました。 本当に難しい文法用語なしで、ラテン語の特色についてみっちり書かれており、濃い中身に興味をもちながら、最後まで読み通すことができました。いろいろ勉強になり、出会えて大感激でした。 世の中では、ラテン語で「アウェ・マリア」という発音のはずの歌が、「アヴェ・マリア」という発音で歌われているのを、前から不思議に思っていたのですが、そんな疑問もこの本で一発解消しました。 読み方や音の長短も、逐一ルビや記号がつけてあり、とても親切です。 入門の入門書として、ややこしくなるところは宣言とともにスパッと切り落としているのにも好感をもちました。 できたらこの本に最初に出会いたかったなあ。 付属のCDも聞きやすいです。(rの発音は、ラテン風の舌の振動するrではなく、普通のrです。) ラテン語学習の最初の最初に読むのに、超お勧めだと思います。 |