ネクロポリス 下 (朝日文庫) |
(上巻のレビューも合わせてご覧ください)
下巻になると物語は加速し、「血塗れジャック」の被害者が表れたりと、前半では大きな動きが連続する。 ただ、それで一気に謎が解決をみるかというとそうはいかず、謎が謎を呼ぶ展開で読者を先へと引っ張っていく。 また、それと並行して、文化人類学を研究する主人公が、日本とV.ファーに関して比較文化論的を試みたりする。この作品の舞台設定に魅力を感じる読者にとっては、実に興味深いシーンとなるだろう。 後半、ミステリの体裁を持つこの作品の“謎解き”は二段階に分けて行なわれ、その間に主人公たちの冒険が組み入れられる。ミステリ的展開とファンタジー的展開が交互に挿入されて読者を楽しませる。 しかし、それまでの長大な物語を支えるにはこの謎解きは少々ボリューム不足である感は否めない。どうにもあっけなさを覚える。もともとこれは連載小説であるが、何らかの紙面的制約があったのかもしれない。兎にも角にも残念である。 解説は萩尾望都が書いており、読了者限定になるが、なかなか面白いエッセイに仕上がっている。 |
1/25(イチガツニジュウゴニチ) (ダ・ヴィンチブックス) |
まるで、ひとつの映画をみたような濃密な本でした。
フォトブックなので、もちろん8〜9割は写真なのですが、ただの写真集ではありませんでした。 『夜のピクニック』恩田陸さんが多部ちゃんをイメージして書き下ろしたという小説、ロングめのインタビュー、多部ちゃん自身が書いた手紙風エッセイ、そして多部ちゃんらしい写真の数々……そのひとつひとつすべてが、衝撃的というか(という言葉が適当なのかどうなのか自信ありませんが)。いまこの瞬間にしかいない多部ちゃんがものすごく鮮明に焼き付けられていて、そして、次の瞬間には多部ちゃんが「今」を脱ぎ捨ててゆく予感さえも感じられて、かわいい、とか、いい、とか、一言ではまとめられない。いとおしいような、せつないような、いろんな感情にさせられる本でした。 いや、もちろん、多部ちゃんは、とってもかわいいし、ちょっとドッキリさせられる写真もあって、ふつうの写真集としての満足度も十分高いです。 |
ネクロポリス 上 (朝日文庫) |
V.ファーは、英国と日本の文化が奇妙な融合を見せている島である。
一年に一度、「ヒガン」と呼ばれる時期だけ、このV.ファーの北東にあるアナザー・ヒルという地域で、生者と死者が再会することができる。その年のヒガン、アナザー・ヒルに集まった生者たちの一番の関心事は、シリアル・キラー「血塗れジャック」。 アナザー・ヒルで、被害者から「血塗れジャック」についての証言を聞こうと意気込む生者たちの前に、次々と事件が起こる、と形式上はミステリに属するが、背景設定は異世界ファンタジーであり、既成のジャンル分類に嵌らない恩田陸らしい、複合的なエンターテイメントになっている。 V.ファー、特にアナザー・ヒルの文化設定はかなり複雑なのだが、その文化をきちんと理解できていない日本人を主人公においているので、読者もそれに合わせ、ストーリーが進むにしたがって少しずつ理解していくことができる。 また、著者の情景描写は巧みなので、奇妙な文化を持つ地の不可思議な風景も映像的に頭に思い浮かべられる。 そうして作品世界に入り込んでしまえば、舞台、キャラクター、謎、それぞれの魅力に酔わされながら、次々とページをめくっていくことになる。 そして、「ねじの回転―February moment」でもそうなのだが、恩田陸作品が上下分冊になるときの上巻の幕切れのしかたは絶妙で、すぐさま下巻を開かずにはいられなくなってしまう。 というわけで、下巻のレビューに続きます。 |
夜のピクニック ピクニックパック [DVD] |
さすがわ夜ピクニック☆台本まで入れてくれるとは…将来俳優を目指してる自分には何とも言えない素晴らしさ('凵j☆ んで、本編はまた、すごく楽しめました。 俺ももうすぐ高校生になります。この映画を見て、こんな青春した生活が送りたいと心から思いました★ どこか切なくて、どこか微笑ましい。 まだ高校生活おくってない自分なのに、「懐かしい」と思ってしまった。何故かわわからないが… また貴子の周りのクラスメートの中に、ぃるぃるこんな奴、みたいな人が沢山いました。そのためより親近感がわき、安心してみられました。自分的には古川さんの正義の塊が受けましたね(笑 貴子たち一人一人の些細な言葉、些細な行動が胸に響きます。とくに忍の「時間がこんなに目に見えることってなかなかなぃよな」がなんだか、自分を寂しくしてきました。現在と云えるのは、今一瞬一瞬だけなんですょね。そぅ考えると時間が過ぎるのが速く感じてきました。 受験までの時間が… 夜ピクニックは友情と時間、この2つが中心として描かれています。 融役の石田卓也くんはまぢ最高です☆ 多部さんもすごくょいと思います。 それぞれの個性がとてもよく作品を引き立たせてます! 作品はゆっくり始まりゆっくり終わる。もしかしたら退屈と思う方がいると思います…塚、これ見て何も感じとれなぃとは、はっきり言って寂しい人ですょ… 今一瞬一瞬の青春を楽しく過ごしたぃ…時間を有効に使いたい…俺はそう感じました。 本当に夜ピクニックから学んだことは沢山ありました。キャスト、監督を始めとした関係者全員、本当に素晴らしい映画ぁりがとうございます。そして恩田さんも☆ なんだか歩行祭がしたい気分(笑 ではこれからピクニックの準備を見るとしますか☆☆ …あ、そぅそぅ…亮子役の高部さんは俺のアネキの友達らしぃ…まぢびっくり |
夜のピクニック 特別版 [DVD] |
ただ歩いているだけなのに、どうしてこんなに真剣になれるのだろう?本当にその通りです。原作が本屋さん大賞を取ってすぐに読みましたが、こんな時間の流れは新鮮だった。映画になり、ちりばめられたエピソードは、原作とは違った世界を築いた。役者が動き、話すことで緊張感が生まれ、思いが迫ってきた。
高校生にしかできない、高校生だから出来る事があるのだ。ひたすらに、ひたむきに若者たちは歩き続けるのだ。それこそゴールを目指して。 |
ピクニックの準備 [DVD] |
私は本編を見てから、このDVDを知ったので本編を知った上で見ました。 いや〜実に面白い!! おそらく本編を見てから、こちらに入った方が様々な発見があり楽しめるのではないでしょうか? そして必ずまた本編を見たくなることでしょう。 どのお話も雰囲気は異なるのですが、不思議なまとまりを感じられるのです。 所々にある話の繋がりも、楽しめます。 買って損をするDVDではないことは間違いありません。ぜひお買い求めになって、夜ピクをより楽しんでください!! ありがとうございました。 |