秘密 [VHS] |
『家族の幸せが俺の幸せ』最初から最後まで、脇役でありながらキーマンであるバス運転手のこの言葉がメインテーマの様な気がします。 残された妻の魂、娘の体 妻だけど娘として、世間ではもなみとして生きていかなければいけない、なおこ。 分かってはいるけど、今までの夫婦生活の様にはいかない。 若い男が目の前に現れると思春期の娘を取られるより、妻のなおこを失う方を恐れ、大きな矛盾に苦しむ夫。 夫婦の2人の気持ちは何一つ変わっていないのに体一つ、生活一つでここまですれ違いが生じてしまうものなのか。 どうにもならないこの矛盾を解消するため、苦しむ夫のため、『家族の幸せ』のために下したなおこの決断は正しいものなのかは何度見ても分かりません。 『二人』最後の岬灯台での場面は、幸せと別れの切なさで溢れいます。情景の美しさが余計際立たせます。 何よりラストまで見て、もう一度あの場面を見ると、やるせない気持ちでいっぱいになります。 最後を見て思う事はそれぞれ違うと思いますが、妻であるなおこの強かさ、最大限の『夫への愛』を直に感じました。 キャスティングが素晴らしい事、この作品が映画になったことに感謝したいと思います。多くの人に見ていただきたいです。 |
秘密 [VHS] |
うーん、広末がどうも個人的にはイメージに合わない気がします・・・。原作がよかっただけに、最後のエンディングは賛否両論でしょう。それにしても 東野サンの作品はどれも面白いですよね。 |
流星の絆 DVD-BOX |
自分はリアルタイムでは観ず、彼女に奨められて、彼女が取り溜めたDVDを
見始めました。 そして見事にはまり、平日にも拘わらず翌朝4時まで一気に観てしまいました。 いろいろなところで本作品について原作との違いが書かれており、中には批判 的な論調も見受けられます。 自分は原作を読んでいないので何とも言えませんが、別の作品と割り切っては いかがでしょう? 本作品、前半は非常に軽いタッチでコミカルに進んでいきます。おそらく、原作 ファンの方はこれが気になるのだと思います。 ただ、「ドラマはドラマ」と割り切ってしまえば非常に楽しいストーリーであり、 日頃のストレスを忘れること間違いなしです。 そして後半。 シリアスかつ緻密に練られたストーリーの中に恋に揺れる女心、伝えられない想 い等々が散りばめられており、観る立場でありながら登場人物に思いっきり感情 移入してしまいました。 本作品について、多くの方が二宮和也の演技力を誉めていますが、錦戸亮の演技 力も相当なものです。 そして何よりも戸田恵梨香。 彼女はこの作品で同年代の若手女優から一歩リードしたと思います。少なくとも コードブルー・ドクターヘリよりも(役柄もありますが)圧倒的な存在感です。 もちろん、脇を固める人たちの演技も見事でした。 長くなりましたが、不況が騒がれ、閉塞感が漂う今だからこそ、笑いあり、兄弟 愛あり、恋愛ありの本作品を見て欲しいな、と思いました。 |
ガリレオφ [DVD] |
原作は「ガリレオの苦悩」に掲載。顔を合わせたことのある人物が相手となっており、ガリレオの人情的な苦悩振りがうかがえる。 |
秘密 [DVD] |
監督のアカデミー賞受賞記念でTBSで放送しているのをみました。 私はこれまで見たときは毎回必ず涙してしまいます。 今回も、また涙してしまいました。一度最後まで見て、どんな『秘密』が作られるのかわかってから二度目を見ると、涙する場所も変わります。 ただ、やはり原作が好きな人間にとってはラストは不満が残ります。原作のラストは「秘密を守り続ける妻」と「秘密を知ってしまったことを秘密にし続ける夫」だったのに、映画では、秘密、ばれちゃってるじゃん…。 不満はあるけど、それでも私の5指入る邦画です。 監督うんぬんっていうより、原作と脚本がいいんじゃね? |
秘密 (文春文庫) |
東野圭吾の本はガリレオシリーズ、レイクサイド、手紙、怪笑小説、毒笑小説などを読んだけど秘密は一番感動した 男ならこの小説の主人公の杉田平介の気持ちは少なからずわかるのではないかと思う 格好悪いけど凄い自分と重なる部分が多々あった 普段はこういうレビューとか使わないけど、面白い面白くないを別にして、この本を読んで他の人がどのように感じたのかを知りたい。 曲がりなりにも色々本を読んできたけど、これは是非色んな人に読んでもらって意見を聞きたいと思う一冊。 よかったら皆さん読んでみてください ちなみに俺は徹夜で読んでしまったけど、そんくらいおもしろかったです。 |
容疑者Xの献身 (文春文庫) |
以前から好きだった、ガリレオシリーズ。長編はどんなものかとたいそう期待して読み始めましたが、その期待を裏切らない素晴らしい出来でした。
前夫から逃れて高校生の娘と暮らす靖子の隣に住んでいた数学教師の石神。靖子たちの犯した殺人を、どのように隠避しようというのか。死体を隠すといえば、山奥まで行って穴を掘る、重石をつけて海へ沈める・・・。私が考えつくのはこんなところが関の山。 まさに、盲点を突くトリック。こんなこと、考えつく人がいるんだ〜と心底感心してしまいました。数学者の石神は頭がいいというよりも、雑念がないというか純粋な人間なんだと思います。この人がこれだけのトリックを組み立てられたのはIQの高さだけでなく、靖子に対する純粋な気持ち、自分の生きている意味を証明したいというような、強い気持ちが根底にあったからだと思うのです。数学者というのは、実はとてもロマンチストで、自然の中にある美しさを感じられるような心がないとだめなんだそうですね。以前読んだ藤原正彦さんのエッセイを思い出しました。そういった点からも、数学者の心理がよく描けていると思います。 この際、靖子の心理描写は薄くても問題ない気がします。石神の心理と湯川の謎解き、それに伴う苦悩はよく描けていると思うので、天才ならではの苦しみが天才ではない私にも手に取るようにわかりました。 ほんとに、これだけの頭脳を本来の研究に生かせないというのは湯川でなくても残念だと思うでしょう。映画の方もぜひ見てみたいですね。 |
悪意 (講談社文庫) |
人間の心の奥底に潜む理由なき"悪意"―
その、一種の執念とも言えるものをここまで徹底的に突き詰めた東野さんに感服。 手法も斬新で、犯人の手記と加賀刑事の記録、独白、回想・・と、それぞれの側から交互に語られていく。 なので、前半で早くも犯人が分かってしまって、まさか後半全部使って種明かし?と、一瞬興ざめしたのもつかの間。 物語はそこから二転三転し、最後には「やれれた!」と叫んでしまった。 ものすごくダークだが、数ある東野作品の中でも個人的に上位にランクインする1冊。 |