『欲望という名の電車をラップにしようとする男の害について』1/2
欲望という名の電車 [DVD] |
この映画、原作と違う台詞があるのです。
ブランチが夫に自殺する直前に言った言葉です。 今、見直してみると映画版の展開の方が ブランチの深層心理に及ぼした影響が納得が行きます。 人はどうしょうもなく他人に縋りたくなる時があります。 それを弱さと決め付けるのはたやすいが 相手を追いつめる最大の凶器ともなる。 ブランチは夫を言葉で殺し、夫の影を追うように夫と同じ人間になった。 どうすることもできない救われることのない社会から隔絶した女の悲劇がここにある。 |
欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット [DVD] |
自分的には1951年のベスト・ピクチャーです。
(同年のアカデミー作品賞は「巴里のアメリカ人」でしたが...。) 何といっても配役が超一流ばかりです。 ご存じ、ヴィヴィアン・リーやマーロン・ブランド、キム・ハンターや個性派のカール・マルデンなど、 内容の重さは別にして、見ていてとても安心です。 特にマーロン・ブランドをゴッド・ファーザーでしか知らない人には是非見てほしいです。 ちなみに彼はこの作品で初めて、日本に紹介されたそうです。 若き日のこういった役柄があったからこそ、あのドン・コルレオーネの名演があったのだとうなずけることでしょう。 ニューオリンズが舞台になっていますが、ジャズバンドの演奏があちこちで聞こえる以外に、 当時の南部の乱れぶり(酒、貧困、カード遊び、性など)がうまく描かれています。 本商品はディレクターズカット版なので、公開当時にカットされていた性的表現や会話などが再現されています。(他の500円くらいの廉価版はどうかわかりませんが。) その変更点がどのあたりなのかもメニュー内のプロダクション・ノートから確認できるようになっています。 色々書きましたが、この作品がこの値段...。お買い得としかいいようがありません。 |
欲望という名の電車 (新潮文庫) |
Penguin版の原書を元に翻訳されています。
表現方法がやや古臭い感じがします。 時折はしょってある部分も見当たります。どういう意図で 省略したのかはわかりませんが、物語の筋には異変がないので まあいいでしょう。 この戯曲をうまく表現するのは非常に難しいとは思う。 心の闇の部分にも焦点をあわせなければいけないし。 妹を頼って現れたブランチはおとなしい雰囲気で登場するのだが、 妹のステラにあったとたん急にしゃべり始めるなど、結末への 伏線は見事に描かれている。 本作品をそのまま評価するのは難しいがT.ウィリアムズの作品を 知るにはちょうどいいと思います。 |
欲望という名の電車 (新潮文庫) |
ヴィヴィアン・リー主演のこの映画を観て感銘を受けたので、是非、本でも読んでみたいと思い、借りた。多少映画と違い、省かれていた部分もあるものの、映画の感動をそのまま感じることが出来た。ただ、とても古い本だったので、漢字の読みにくいところが結構あり、その点は残念だったが、今度は、新しい本で読んでみたいと思った。 |
欲望という名の電車〈オリジナル・ディレクターズカット〉 [VHS] |
テネシー・ウイリアムズの名作をエリア・カザンが映画化した名作中の名作。主人公のブランチをヴィヴィアン・リーが扮している。ヴィヴィアン・リーは、「風邪と共に去りぬ」に続いて二度目のオスカー。美貌のヴィヴィアン・リーの狂気と正気の境目を泳ぐような演技がゾクッとするほどリアル。彼女と同居し、ソリの合わない妹の夫を演じるのがマーロン・ブラント。粗暴でありながら性的な魅力をあわせもつ男。奥歯を噛み締めるような独特の喋り方などマーロン・ブラントならではの存在感。 この映画の良さは、文学性を損なうことなく映像化されている点にあると思う。出演者の目の動き、視線の交差、声の強弱を積み重ねて、点と点が結びつき、物語が一つの方向に動いてゆく。そして、観るものは、自らの記憶と絡み合って「欲望という名の電車」を体験する。2時間を超える作品であり、モノクロ、現在のSFXなどもない作りだが、俳優の名演と監督の演出によって見るものを圧倒する。映画のお好きな方にとっては一度は観ておくべき作品。 |
人気動画
Loading...
|