冬虫夏草の謎 |
盛口満氏は、この本のなかで普通のひとならば自己完結しがちな自らの活動の記録と感傷を注意深く軸に据え、冬虫夏草とそれにに関わる方々の「生態」を漉きこみ、自分の目で見、肌で感じ、舌で味わって答えを見つけ出そうとしていきます。
読み手には、このフィールドでの臨場感を十分に感じさせる盛口節(盛口節は私が勝手に呼んでいるだけです。すみません)で容赦なくひきつけていきます。 最後には、盛口満氏と共に虫草屋として育った気持ちにしてくれます。 ナチュラリストにも、そうでない方にもとってもお得な一冊だと思います。 ※個人的には「清水大典著 原色 冬虫夏草図鑑 誠文堂新光社」、「清水大典著 冬虫夏草 ニュー・サイエンス社」の素晴らしい著作で冬虫夏草のことを知っていましたが、違う角度から冬虫夏草のみならず自然を語った一冊だと思います。 |